子供がいない方は、将来、ご自身の財産が誰に相続させられるのか問題になることがあります。
相談者の女性は、夫との間に子供がいません。
遺言を作って、自分が亡くなったら、自分の財産は夫に相続させることにしました。
しかし、その後、夫が亡くなると問題です。
夫が相続した妻の財産は、最終的には夫の親族に相続されることになります。
遺言の不便なところ
遺言はすばらしい制度ですが、問題もあります。
一つ目は、自分の次の代しか決められないことです。
相談者は、夫に相続させることを決めることができますが、その後、夫が亡くなったら誰に相続させるかを決めることができません。
二つ目は、チョットしたことで無効になってしまう可能性があることです。
特に自筆で遺言を作った場合は、日付が不完全、押印がないなどの理由で、せっかく作った遺言が無効になることがあります。
三つ目は、自分が亡くならないと名義が換わらないことです。
つまり、認知症や植物状態になった場合は、遺言では対応できないのです。
民事信託(家族信託)なら解決できる
上述した問題は、民事信託(家族信託)なら簡単に解決することができます。
相談者の財産を、甥や姪など信用できる人に信託するのです。
そうすると、自分が亡くなったら、財産(受益権)は夫に渡し、その後夫が亡くなったら、姪に渡すことができます。
このようなことは、遺言では不可能でした。
でも、民事信託(家族信託)を使えば、簡単に実現することができるのです。