不動産取引に関わっているとたまにあるのが、気が変わったから、不動産を売らない、買わない、建てない、壊さない!
などなど、取引の急な中止に出くわすことがあります。
そうすると、不動産の取引を前提に動いていた大人たちが一斉に急ブレーキをかけ、途方にくれます。
これは相続に関する場面でも起こりえます。
相続税対策にアパートを建てている方なども建築、売却、修繕、取壊しなどが中止になることがあります。
原因としては、高齢の方は変化をあまり好まないという傾向があると感じます。
家族で不動産経営の計画を立てていても所有者のおじいさま、おばあさまがNOと言えばそれまでです。
また、高齢者の場合は気が変わる他に、認知症等の判断能力低下により、不動産取引ができなくなることもあります。
銀行から1億円以上の融資を内諾してもらっていたのに、計画が止まってしまうこともありました。
家族でのアパート経営は、自身や家族のキャリアも含めて経営計画をたてることが多いです。
最初にアパートを建てる人が、こうして行くぞ!という意思を長年持ち続け、さらに承継するのは困難です。
なぜなら、意思も老いたり劣化するからです。
せっかく建てたアパートやそこから得たお金を、私の代ではこうする、子供たちの代ではこうしていこう、その次はこうしてほしい!
という意思を保存する(「意思凍結」なんて教わったりしました。)効果が信託にはあります。
信託の目的を定め、それに沿った信託財産の管理方針を定め、適切な管理者(受託者)選任し、管理・監督する体制を構築すれば、当初の目的からブレることなく、アパート経営と承継をしていくことができます。
私の事務所には、既存のアパートを子供たちに承継させたい、相続で承継した土地を活用して、お金を生み出す資産として残していきたい。
こういった「想い」を持った依頼者が多いです。
是非とも信託を活用して想いと、想いを「カタチ」としてのこしていただきたいです。